井上涼子さんのお誕生日・11月4日に、AKB49を読む幸せも、これで最後になりました。
というか、朝からいろいろとバタバタしてて、とてもいろいろと遊んでいる気分にもなりませんでした。
シャル砲だけはぶっ放してましたけどw
まずは浦川みのりがみんなに宛てた手紙から。
「親愛なる吉永寛子、AKBのメンバー、スタッフさん、そして大切なファンの方々へ。
卒業公演に出られなくて、本当にごめんなさい。
詳しい事情は話せません。でもより大勢の人を傷つけない為に私が一人で出した結論です。
メンバーに責任はありません。
でも大丈夫! 他のメンバーが必ずや最高のステージを披露してくれてると確信しています!
第一私なんかがいなくてもAKBは大丈夫なんです。
たかみなさんをはじめとする、いつまでも圧倒的なカリスマ性で超カッコイイ先輩たち、
私なんかが及びもつかないくらい、魅力的で頑張り屋な後輩たち!
それと、アホな同期たち。
それに、AKBには吉永寛子がいます。
彼女は本当に面白いコです。
真面目で努力家なくせに、どこかネジが一本抜けていて。
何も無い所でよく転ぶくせに、誰よりも自分の夢に正直で。
はじめは引っ込み思案で、何をするにも臆病だったくせに、1万円公演のムチャブリに、誰よりも早く覚悟を決めたのは彼女でした。
どこか変なんです。
GEKOKU嬢の時も、選ばれた時は腰抜かしてたくせに、数々の辛い試練に文句も言わずに真っ先に取り組む姿勢には何度助けられたかわかりませんし、
全国兼任でのSKEの時も、ダンスは得意じゃないはずなのにセンターの代役を自ら志願し、ぶっ倒れるまで踊って、見事成功させる。
NMBでは緊張しいだった面も自力で克服してトークもだいぶ上手くなりました。
変顔も毎晩練習してるので、今度皆さん笑ってください!
HKTでは、お姉さんとしてしっかりと後輩メンバーを支え、導いてたし。
スキャンダルを撮られた時だって、誰よりもファンを信じていて。
その逆境すら力に変え、最後まで戦い抜き、それでもその後の総選挙の晴れ舞台で彼女が流したのは、仲間を想う悔し涙でした。
因みあの男とは本当に何もありません! てかあいつ死にました!
そりゃ迷うこともあります。ドジだし、天然だし、普通の女の子みたいに弱い部分もあります。
でもこんなにもAKBが好きなコは見たことがありません。
こんなにもアイドルに一生懸命なコは見たことがありません。
こんなにも最高のアイドルを私は他に知りません!
そもそも私がオーディションを受けたのは、夢見る彼女を応援するためでした。
でも、大勢の人と触れ合う内に私自身、本気で『ステージに立ちたい』そう思うようになったことも事実です。
この気持ちに嘘はありません。
でも まぁ それもこの際『しょうがない』ってことで!
3年前、私はクビのかかったステージで『私のことを覚えていてください』と言いました。
でもやっぱ、あれ嘘です!
こんな最低のアイドル、とっとと忘れてください!
だってAKBにはこんなにも沢山素敵なメンバーがいるんです!
私のファンはどんどん推し変してこれからは皆を応援してください!
彼女たちこそ、私、浦川が自信を持ってお薦めする、愛すべき、かけがえのない、最高のアイドルたち、AKB48!
そして、私の大好きな、吉永寛子です。」
言うまでもなく、浦山実が認(したた)めた「浦川みのり」名義の手紙は、皆がみのりが実の女装だということを知らない前提で書いたものでした。
しかしAKBの誰もが、そして吉永寛子が、浦川みのりが実の女装だと知ってしまいました。
戸賀崎から分捕ってその手紙を読んだ寛子は、みのりの言葉を借りて書かれている実の想いを知って、みのりを連れ戻すために真っ先に楽屋を飛び出して夜の街に飛び出していきました。
そしてAKBのメンバーも競い合うようにその手紙を読んで実の想いを知り、寛子に続いてみのりを探そうとします。戸賀崎が高橋みなみを引き留めようとしますが、みのりの登場を信じて待っているコールを聞いて「自分たちだってみのりのいない公演なんてやる意味がない」という高橋みなみの想いに気づいて、「あの大バカ野郎を絶対連れ戻してこい!」と指令を出すことになる。
そしてメンバーがそろって外に飛び出すが、高橋みなみは「みのりと一緒に最高の公演をやるため、『みのりを信じる』なら衣装濡らすな!」と厳命してメンバーにコートを渡す。言うまでもなく高橋みなみは最もみのりを買っていた一人で、みのりが男だと知って一番傷ついたはずなのだけど、それでもそれまでの『浦川みのり』を知っているから、自然に『みのり』になっていたのだ。そしてメンバーも『浦川みのり』を探し始める。
12期生が捜している所に寛子がやってくるが、寛子は「いないの、みのりがどこにも…」と泣きながら戻ってくるのを見かける。春子たちも寛子のそんな姿に呆然とするが、千絵の「街中ファンだらけなのに、人目につかないところなんてどこにも…」と叫んだ瞬間、寛子の脳裏に一つの光景が浮かび上がってきた。
寛子はそこにみのりがいると信じて、慌てて一人で走り出す。手掛かりをつかめない春子は、みのりの画像が街中に溢れる中、思わず泣き出してしまう。
そこは寛子にとっては特別な場所だった。博多で寛子が実の手を握ってしまい、それを抜かれたスキャンダルが勃発したが、それをいち早く察知した有栖莉空が喫煙飲酒のスキャンダルをでっち上げて自爆した事があった。しかし結局のところ戸賀崎からそのスキャンダルを抜かれていたことを知った寛子は何日も涙が枯れるまで泣き続けた挙げ句、自分のスキャンダルをあえて公表し、莉空だけ悪者に出来ない、自分も正直に話して審判を仰ぐと宣言した場所であった。そこで寛子はアイドルになるために実との決別を誓った場所でもあった。
寛子がそこに行くと、果たして実はそこにいた。実はステージに立つ服装のまま、カツラを脱いで腰をかけて泣いていた。
「みのり!」
寛子はみのりが実の女装であるのを知り、そして今はカツラを脱いでいる実に向かって、あえてそう声をかけた。
実は「みのり!」と声をかけた寛子に、カツラを脱いだ状態のまま「ひろこ…」とみのりの時の口調で寛子に返事をした。
とうとう寛子にみのりが自分の女装だとばれた、その時はまだ実は気づいていなかった。