スーパー白鳥13号運行記録3

このブログは超ぐうたらワンマン運転士の日常(もはや気が向いたら、という気もw)を書いたブログです。はてなダイアリーで公開していた運行記録2が今年の春になくなるため、新たに作成しました。2005年11月4日…「運行記録2」暫定開業/2005年11月14日…「運行記録2」本格開業/2019年1月13日「運行記録3」移行開業

いやはや、昨年のベル爺の解任も壮絶だったけど…

 もう日付が9日に変わっていますが、Jリーグではまさに想像を絶する大スキャンダルが勃発しました。
 サガン鳥栖尹晶煥監督が、8月7日付で契約解除、要するに事実上の解任となりました。
 昨年もやらかしたチームがありまして。
 大宮アルディージャというチームなのですが。
 J1記録にもなる21連続無敗の大記録を打ち立てたベルデニック監督を「5連敗して4位に落ちた時点」で解任という荒業を披露してまさに大騒動になったのですが。
 なんと、前節の第18節で浦和レッズを追い上げて首位に立ったチームが、「勝って首位に立った時点」で解任という、誰もが信じられないような暴挙をかましたわけです。
 で記者会見では永井隆幸強化部長は補強策や契約更新に関する考え方の相違を否定した上で、


>優勝をより確実なものにし、チームが一丸となって戦っていくための苦渋の決断。リスクも承知している


 と言っているのである。正直に言ってしまえば、大宮以上にわけのわからない解任劇、なのです。


 ただ実際にそうなった事で、恐らく鳥栖には大宮以上に「見えてきた」ものがあったように思えるのです。


 そのカギを握るのが、尹晶煥監督に対する「契約解除」という文言です。
 恐らく、今回の「解任劇」については、フロント・尹晶煥監督双方がある程度合意した上で監督を辞めさせた節があるのです。
 解任ならクラブから違約金を払わなければいけないし、辞任なら尹晶煥監督が痛手を負う事になります。ましてや尹晶煥監督自身、選手時代の2006年からずっと鳥栖に居続けていたこともあり、「契約解除」という落とし前で別れることにしたのではないかと思うのです。
 契約解除なら、尹晶煥監督のキャリアを傷つけることもないし、鳥栖にしても違約金を払う必要がない。


 そう、恐らく鳥栖の問題は、お金にすべてがあるように思えるのです。


 大宮はもともとNTTグループがベースになっているので、お金に関しては潤沢であるのですが、その分ハングリーさに欠けて、甘さの多いチームになっていると考えています。
 それを一昨年就任したベルデニック監督は、まずは残留させるために指導し、選手もJ1に残りたいがためにベルデニック監督の指導を素直に聞けていたように思えます。それが、さいたまダービー以降の11戦無敗にまずはつながっていくのです。
 そして昨年それを発展させてさらに10戦の無敗を重ね、最終的にJ1記録になる21戦連続無敗につながっていくのです。
 ところがそこで甘さが出てくるのが大宮の悪しき体質。さらに強いチームを目指そうとする監督に不満を募らせる選手が続出、結果的に中断明けからチームが機能しなくなり、事実上クーデターを起こされた形で監督が解任されたのです。


 ところが、鳥栖の場合は根本的にお金がないのである。
 2014年1月期の収支報告では、2013年度のJ1参加16チームの中で唯一、3億近い損失と、2億円余りの純資産の赤字を抱えているのである。
 もともと1998年に鳥栖フューチャーズが解散、サガン鳥栖自体も2004年に旧経営陣が解散と2度にわたりチームを経営危機に陥れることがあり、大口スポンサーがないこともあって「お金がない」チームとしてあまりにも有名であった。
 そこに持ってきて今年の快進撃で、さらにチームの首を絞める状況に陥る可能性が出てきたのである。
 快進撃を続ければ、当然人件費も増加する。仮に優勝して2億円をゲットし、その時は金額を上げても、翌年優勝できなければ2億円は獲得できず、結果年俸減や選手保有数の減少などでチームの首を絞める結果につながるのである。
 横浜のようにお金がない、お金がないと言いながら、結果的に親会社(日産)がポンとお金を出してくれる、そんなチームではないのだ。
 そもそも今年の年初にもエースの豊田を他チームに放出するのではないか、と言われていたくらいであったから、このままいけばチームの存続が危うい状態になるのは目に見えている。だからあえて、チームを救うために芝居を打ったのではないかと思うのです。


 だから私は今回の鳥栖の件については、厳しいことは言えないと思っています。


 ただ、選手にも今回の件を通して「お金がない」というチーム事情が分かり、それがモチベーションの低下につながる可能性も否定はできないのです。一生懸命頑張ってもお金がたくさんもらえるのでなければ、とりあえず体裁が整えばいい、と感じる選手やスタッフも少なくないかもしれません。
 それを昔からチームを知っている尹晶煥監督が抑えていたように思います。でもその枷が取れた時にどうなるか。
 来年、今年の大宮と同じように降格圏に足を突っ込んでいる姿も、残念ながら想像しえる状態です。
 最終的には今のスタイルを吉田新監督も踏襲すると思います。実際に吉田監督は尹晶煥監督と一緒に鳥栖でプレイして、鳥栖の内情も熟知していますし、それを踏まえたチーム作りを継承するとは思います。
 あとはどれだけみんなが踏ん張るか、ですね。