「ボールルームへようこそ」が好きになったのは、もちろん熱い印象を残したからであるが、同時に様々な名言が印象に残っているからです。
今回は２巻までの中で出てきた様々な名言を紹介します。
立ち方ひとつで人の見る目は変わる…
富士田多々良を小笠原ダンススタジオに招き入れた仙石要が多々良にまず言った「指導」
もともと同級生にいじめられていた多々良を仙石が助けてダンススタジオに招き入れたのだが、自信も何もなかった多々良にまず植えつけたのが強くなるための姿勢であった。最初は全く自信を持てなかった多々良であるが、少しずつ自信をつけるにつれて威圧感も出てくるようになってきた。
僕は変わらなきゃ
１巻のカバーにも書かれている多々良の名言。最初は雫の真剣な踊りに逃げ帰るように帰った多々良だが、たまきが入れた仙石のDVDを見て仙石に憧れる。そして翌日仙石にまたダンススクールに連れられた多々良が金が高いから断ろうとしたのに口では「仙石さんのようなプロになりたい」と発言、そして冒頭の「僕は変わらなきゃ」発言につながる。
仙石はそれを聞いて基礎練習のボックスを「やめと言うまでやれ」と指示するが、多々良はそれを愚直に聞いて徹夜で踊り続ける。その結果仙石だけでなく、前々日は「冷やかし？それともスケベ？」と蔑んでいた花岡雫も多々良を認めるようになる。
口煩いのは不要なわけか
多々良に指導者がついて基礎的な足型を教わるが、多々良はなかなか覚えられず、仙石を呆れさせてしまう。そんな時、雫とカップルを組む兵藤清春が小笠原ダンススタジオに来た際に、仙石がもしかしたらと清春に、多々良に足型の手本を見せるように命令する。多々良が覚えるまで永久に踊り続けろと命令されて不機嫌になる清春をよそに、足型を見ようとする多々良に「覚えたらついていけ」と指示。しばらく清春の手本を見た多々良が真似をし始めて、仙石が多々良の指導方法を理解したひとことである。このあと赤城真子とカップルを組んだ多々良に即席でたまきとカップルを組んでクイック・ステップのオリジナルルーティンを見せ、それとスタートの簡単な指示だけで多々良が再現して真子を驚かせる、独特ともいえる指導方法を構築してしまう*1。
またあそこに戻って踊れればいいのに！
替え玉で多々良が雫を踊ったのを見た清春が怪我をしているのに無理をして迫真のタンゴを魅せた結果、病院送りにされてしまう。その見舞いに行った多々良が昨年度チャンプでランキング２位の岩熊善徳と会う。清春が退院したことを聞いた２人は公園で話をするが、岩熊に「替え玉でフロアに居場所がなかったのによく逃げなかったね」と聞かれ、泣きながら「僕がほめられた訳じゃないってわかっているのに嬉しくて」と言って冒頭のセリフを吐く。岩熊はそれを聞いて、「君は強いんだね、応援したくなっちゃったよ」と多々良に優しく言う。トップクラスの選手を味方につける強さと岩熊の優しさを感じさせるワンシーンであった。
しずくを頼む
岩熊を話をした後自宅に帰ると、清春が多々良の家を訪ねていた。多々良が雫と踊ったことについて、本当は仙石から言われたのに自分が出たかったと言って清春に謝る多々良に対し、自分もタンゴは楽しかったと清春は多々良に語る。
そして駅まで送った多々良に清春は「しずくを頼む」と申し入れる。
恐らく清春は多々良を見てライバルは多々良と悟ったのかもしれない。そして今の雫とカップルを組む今の自分では将来追い越されると考えたのかもしれない。だからこそ、現状を打破するために９年間組んでいた雫とのカップルを解消することを決断したのかもしれない。だからこそ長年見てきた雫を任せられる存在として多々良に頼んだのだろうと思う。
お前は正しい
清春と共に出場停止を食らった雫が、ひとまず赤城賀寿とカップルを組むということになり、賀寿とカップルを組んでいた妹の真子が多々良と組みたいと申し入れてきた。多々良と初めて組んだ時に仙石に押される形で倒れた時、多々良が真子の左足が床についているのを見てとっさに態勢を入れ替えて真子をかばうように倒れこんだのだが、真子はその時にパートナーを意識している多々良の姿勢に気づいて組もうとしたのであった。多々良はもともと雫を意識してシャドーをしていたのだが、それがパートナーを呼び込むことにつながると「お前は正しい」と多々良に言う。そしてパートナー思いの多々良の姿勢は即席カップルだったはずの真子とのコンビを強固なものにしてくことになる。
たたらさんはもう少し自分のことを考えて下さい（真子）
ありがとう、僕を舞台に立たせてくれて（多々良）
２巻のカバーの名言にもなった電話のやり取り。多々良はクイック・ステップの動きで仙石にフロアを使えずに踊る執着がない、集中しろと言われるが、真子はそれが多々良が自分を大事にしてくれているのを分かっていた。そして仙石がクイック・ステップのオリジナルルーティンを教えたのは、多々良ならできると分かってる、自分も多々良をちゃんと見てついていくからと、多々良に自信を持ってもらいたいと語りかける。
それを聞いた多々良は、自分を見てくれる人がいるだけで嬉しい、パートナーと一緒に踊れるだけでも奇跡なのに、そのパートナーに自分を認めてもらって感激し、それが感謝の言葉として真子に伝えられる。
その言葉で自信をつけた多々良は、クラッシュしても簡単にダンスをやめることがなくなり、天平杯の２回戦では一回潰された体格の勝る賀寿をクラッシュで潰し、賀寿に悪態をつかせることに成功する。
というところで名言集は終わり。で最後に２巻までの中で最高の迷言を一発w
ガジュうんこもらせ
真子が多々良と組みたいということで、仙石は多々良と真子に「リード＆フォロー」のトレーニングをさせる。多々良は真子と手をつないで、自分からは動かない真子の行きたい方向にリードをするという事をやるのだが、その時に前回の時は真子が見えていなかったことに気づき、真子の思いを集中して読み取ろうとする。
賀寿は「真子が雫以上にうまく踊れるならまた組んでもいい」というが、真子の真剣なお願いに多々良も真子と一緒にギャフンと言わせたいと真子と組むことを決意する。
のだが、その「リード＆フォロー」のトレーニング中に実は真子は摺り足で地面を掘っていて、それを見たらw
仙石は「多々良が描かせた」と言うのだが、何といっても真子にそういう動きを指示する仙石の方がよっぽど黒いですよw
*1:即席でクイック・ステップのダンスをする仙石も凄いのだが、それを一目見ただけで再現してしまう多々良もある意味凄い
