ということで、もはや一刻の猶予もなく病院送りにされた翔太なんですけど…
ここでも聖人君子ぶりは発揮されます。
自分のゲームを捨ててまで翔太と一緒にいたいと駄々をこねた優飛ちゃんを一喝したかと思うと、次の瞬間には「頑張って、応援してるから」と優しく励まし。
見舞いに来た仲間たちに笑顔を見せて、とりあえずその場を和ませたり。
でもみんなが帰ったあと、優飛ちゃんの前では結構正直に自分をさらけ出しました。
「勝ちたかったな… 悔しいよ… 情けないよ…」
折角勝てたゲームだから、勝ちたかった、悔しい、というのは良く分かります。
でも、全然情けなくはなかったと思います。凄くカッコ良かったと思います。
優飛ちゃんもそれが分かっているから、「約束したのに嘘になっちゃった」と自分を責める翔太を責めようとはせず、逆に自分が涙を流し始めたわけです。
そして優飛ちゃんにだって「想い」はありました。
恐らくあのあと、優飛ちゃんは精神状態はボロボロの状況で準決勝、決勝に臨んでいると思います。
翔太が救急車で病院に運ばれた直後なんか、恐らく翔太に出会う前までの優飛ちゃんそのものだったかも知れません。
ゲーム中も泣きながらプレーしてましたし。
だけどその時（翔太と出会う前）の優飛ちゃんと、今の優飛ちゃんが違うところがあります。
自分が大変な目にあいながらも、優しく「頑張って」と声をかけた翔太の存在。
「翔太くんが応援してくれている」という最後の支えがあったからこそ、ボロボロの状態でも優飛ちゃんが頑張れたのだと思います。
優飛ちゃんもそれを自覚しているからこそ、今度は自分が翔太を支えてあげたい、そう自覚したのだと思います。
そして、かつて２cmまでいった２人の距離が、とうとう０になりました。
かつては「好きだから」キスをしようとしました。それを神尾竜一に止められました。
でもこのファーストキスは、ただ「好きだから」ではなく、今のあるがままを受け入れ、そして二人三脚でともに支えあいながら頑張っていこう、優飛ちゃんはそう決意して翔太とキスをしたのだと思います。
翔太ももしかしたら気づいたかも知れません。優飛ちゃんがしてくれたキスの「重さ」を。
だからキスのあと、涙を流しながら優しく抱きしめた優飛ちゃんの胸の中で、みんなのいる前で隠し通してきた本当の「想い」を、言葉ではなく初めて心から曝け出したわけです。
聖人君子面した彼ではなく、ひとりの「人間」としての東翔太の本当の「想い」を…
そしてその「涙」が、これからの「伝説」につながっていく… のでしょうねw
それにしても…
先には翔太に「優飛と付き合うな」と釘を刺した美華姉ですが、ここにきて今の優飛に何が必要かはっきりと感じ取ったと思います。
「翔太の気持ちを無駄にするつもりなの？」
この言葉がある意味、自分の考えに対する「敗北宣言」になったのは間違いありません。
今の優飛が翔太抜きには動かない以上、もう翔太に「付き合うな」とは言えないでしょうね。
それと吉川部長も立派です。
ぶっきらぼうに見えて、でも自分の経験をもとにしっかりとアドバイスする（しかも翔太だけでなく、同じ代の仲間たちにも）姿、さすがに男らしいですね。
また塩田先輩のハートを撃ち抜いちゃったみたいです。
