本日付の記事で、実弟にあたるたがみよしひさ氏より、小山田いく氏がお亡くなりになった事が報告されました。
読売新聞の記事によると、23日に小諸の自宅で病死なさった由
弟のたがみよしひさ氏の「軽井沢シンドローム」が有名なので知らない方も多いかも知れませんが、私は小山田さんの世界が好きでした。
最初は鉄道ものの「迷い家ステーション」が初めて好きになったのですが、「マリオネット師」や「フォーナが走る」とか、本当に考えさせる作品が多いなと感じました。
「マリオネット師」など、本当に血生臭い話なのですが*1、いろんな意味で人情味のある作品です。
一番印象に残っているのが、「迷い家ステーション」で堺鉄行が最初に運転士志望の野田一葉(当時16歳の女の子)に事あるごとに「18.5m」を意識させるくだりがあるのです。一葉は何の事か分からないまま仕事から帰る途中に運転士の間宮に聞くのだか、それが自分の乗っている「NIJI-100型」の全長であることを指摘して、鉄行は自分が叶わなかった運転士になるという夢を本気で一葉に託そうとしているんだと説明したのだ。それを理解した一葉は迷い家駅での研修を一生懸命頑張り、ある意味「鉄行一派」の仲間に入る*2。
私にとっても急な話でビックリしましたが、とにかく故人のご冥福をお祈りします。
*1:実際に主人公の九頭見灯が最初に所属した『泡雲』には5人のメンバーがいた〜この時灯は表向きは『泡雲』ではエキストラと考えていた〜のだが、主宰の桜辺一彦とマー坊が死に、シローは失明、野々美はシローは自分をかばった結果失明したと責任を取って泡雲を辞める。その結果唯一の団員の桜辺好子とエキストラの灯しかいなくなり、『泡雲』は解散、後に友好団体だったエレボスを辞めた『マリオネットの神様の息子』相馬俊六と、俊六から人形の扱い方を習った生方みのりが加わり、好子が飼い出したサボテンの名前を取った『V』(ファイブ)という新しい人形劇団を結成することになる
*2:間宮も鉄行に厳しく当たられて最初は反目していたが、鉄行の想いを知って鉄行一派に入る。車掌の伏見も含めて、虹湯鉄道では良識派のメンバー