スーパー白鳥13号運行記録3

このブログは超ぐうたらワンマン運転士の日常(もはや気が向いたら、という気もw)を書いたブログです。はてなダイアリーで公開していた運行記録2が今年の春になくなるため、新たに作成しました。2005年11月4日…「運行記録2」暫定開業/2005年11月14日…「運行記録2」本格開業/2019年1月13日「運行記録3」移行開業

2件の鉄道事故に関して

 今月は大雪の異常気象に見舞われたが、同時に2件の重大事故も発生。
 1件目は東急東横線元住吉駅で列車の追突事故。
 2件目は京浜東北線で回送列車が工事用重機と衝突した事故。
 どちらも根本的な問題である。


 まずは東急東横線の件。
 元住吉駅オーバーランして止まっていた先行列車に、後続列車が追突をしたそうである。
 話によるとATCは機能していたそうだが、ブレーキに雪が入って固着してしまい、止まれなかったとか。
 結論からすれば、時間帯的なこともあるかもしれないが、そういう状態で列車を運行すること自体が問題なのだと思う。
 基本的に列車でも車でも、ブレーキは「制動」といって、動きをコントロールすることを主眼としている。そして制動ができなければ動かすこと自体が自殺行為なのだ。
 そういったところの見極めが、もともと東急には足りなかったということ。雪の経験がないからというのは言い訳でしかないし、同じことは他の私鉄にもあるわけだから。
 減速運転、間引き運転はJR東日本では当然のことだし、止まれないのなら運行見合わせも視野に入れるべきだと考えられる。
 ATCに頼っていたようだが、ATCはあくまでも目安であり、目視による運転が原則だと考えていたほうがいい。
 あるいはオーバーランした電車も状況によっては列車防護を発報して強制的に止めてしまうというのも一つの手だと思う。


 京浜東北線の場合は、おそらくは並行する東海道線の工事のために入る車両が誤って京浜東北線をふさいでしまったところに、蒲田の電車基地に戻る回送電車が突っ込んだ、という話のよう*1であるが。
 基本的に深夜の長時間工事の際には次の手順で入るそうである。
 1 列車の通過をダイアグラムで確認し、全電車が通過したかを確認。
 2 工事責任者が線路閉鎖を行い、列車が通過できなくするようにする。
 3 重機を入れる。
 という手順を行うことになっている。
 ダイアグラムというのは鉄道の運行を線状のグラフとして記したもので、これを数値化したものが時刻表である。また時刻表は通常一般に出回らない乗務行路表*2以外の市販されている時刻表には記載されていない回送列車もダイアグラムには記載されている。つまり京浜東北線を走る電車が今回事故を起こした回送電車を含めすべて掲載されているのである。
 そして線路閉鎖は記事によると工事責任者が手元にある機器で操作して信号を赤にするそうです。
 そういった手続きをとらないまま、まだ列車の運行が終わっていない線路に車両を乗せてしまったそうで。
 ヒューマンエラーもここまで来るとシャレにならないですよね…


 不幸中の幸いだったのは、どちらも代替交通機関が発達していたうえ、事故を起こした場所がうまくフォローしやすい場所だったので、この手の事故にしては比較的傷が浅くて済んだ*3ところであろうか。
 こどもの国の屋根落下については仕方がない。屋根にあそこまで重量がかかること自体想定しないだろうから。
 そういうわけで、関係各所には今後の運行に際し、ヒューマンエラーを防ぐ方策を考えてほしいものである。

*1:変な話であるが、もしかしたら南武線のレールが現場付近まで伸びていて、「南武線のレールがない」と勘違いしていた作業員が山側から3本目のレールということで、東海道線の線路と勘違いして京浜東北線のレール上に車両を乗せた可能性も否定はできない

*2:運転士や車掌が携帯する時刻表で、運転時刻表とも呼ばれる

*3:東急の場合は雪のためにそもそもマヒを起こしていたことに加え、田園都市線目黒線が近くを通っていた。また京浜東北線の場合はそばを京浜急行電鉄が通っていたことに加え、東海道本線に問題がなかったこと、さらに事故が起きた川崎の前後に車両基地のある蒲田と折り返し施設のある鶴見があったため、曲がりなりにも大宮〜蒲田間および鶴見〜大船間で運行ができた〜南浦和、東十条、蒲田と車両基地が多い蒲田方に対し、鶴見方は車両基地がないが、大船、磯子桜木町、東神奈川、鶴見で滞泊していた電車を活用したのだろう〜ので、電車に乗れなかったということはなかったようである