スーパー白鳥13号運行記録3

このブログは超ぐうたらワンマン運転士の日常(もはや気が向いたら、という気もw)を書いたブログです。はてなダイアリーで公開していた運行記録2が今年の春になくなるため、新たに作成しました。2005年11月4日…「運行記録2」暫定開業/2005年11月14日…「運行記録2」本格開業/2019年1月13日「運行記録3」移行開業

最近興味を持った漫画について

 前回の更新から気がついたら1か月近く経ちました。
 いや、ほんとはここまで更新しないとは思っていませんでしたが、仕事がとにかく忙しくて。
 で今日はとうとうダウンしました。そもそも数日前から喉がおかしいなと感じていたのですが、それがとうとう収まらなくなりまして。


 明日は11月4日。井上涼子ちゃんのお誕生日だしこういう時には遊び回りたいと思っていたのですが、そんな余裕もなくなりました。


 最近は旅もしたいとは思わず、とうとう「駅コレ」も開かなくなってしまいました。
 9月に入ってからとにかくそんなことに構っていられるような状況でもなく、それ以前にいろんな意味で鬱状況になりかかっていまして、旅行ももう以前のようにかなりの頻度で行く気力もなくなっています。


 そんな私ですが、最近漫画に凝り始めています。
「スマッシュ」→「AKB49」と続いてきたマンガ書評に入れたいくらいにすごいマンガだなと自分では感じています。
 ちなみにAKB49の書評をやめているのは、つまらなくなったからというよりは週1回のコメントを書くのがきつくなってきたから、という理由だけで、今も漫画自体は楽しく読ませていただいています。
 で今回はその作品のこれまでの書評について。


ボールルームへようこそ」(作:竹内友
 中3の富士田多々良は将来の夢もなかなか見つからない、そして存在感も何もない人間だった。しかしいじめられていた所をプロダンサーの仙石要に見つけられて小笠原ダンススタジオに連れられたことから、彼の人生は一変する。
 同級生でスタジオの生徒でもある花岡雫に「冷やかし?それともスケベ?」と蔑まれ、さらに真剣に練習に打ち込む姿*1を見て諦めるが、こっそりカバンに入れられたDVDでの仙石のダンスに魅入られて「仙石さんみたいになりたい」とダンスの道に入る。
 最初は多々良に冷ややかだった花岡雫も多々良が徹夜でBOXをしてスイングをかけているのを見て多々良を認めるようになり、多々良も持ち前の目の良さで上達していく。
 そんな中、三笠杯で多々良は兵藤清春がトイレでテーピングをしているところを目撃。その後清春の荷物の中からテーピングのテープを仙石に見つけられると、仙石に清春の代わりに雫と踊れと言われ、舞台に立ってしまう。最初は緊張のあまりにがちがちになるが、突然スイッチが入ったかのように清春と雫のオリジナルバリエーションを踊り始めたり、即興で踊りだしたりして仙石と雫を唖然とさせる。それを見た清春が痛めている足のことを忘れたかのように多々良に見せつけるようにタンゴを踊るが、一時中断で糸が切れたかのようにダウン。そして多々良が代わって踊ったことで清春と雫は6か月出場停止のペナルティが下る。
 そんな清春は多々良の家を訪れ、雫を多々良に託す。


 そうして清春が表舞台から消えた直後、三笠杯ラテン部門5位の赤城賀寿が雫とカップルになるために小笠原ダンススタジオに乱入する。周囲が猛反対する中、雫は賀寿とカップルになることを決断するが、その余波で賀寿とカップルを組んでいた賀寿の妹の真子が余り、真子は多々良と組もうと考え、多々良も賀寿の野望を止めるために真子とカップルになることを決断する*2
 そして非公式戦の「天平杯」で両カップルがデビュー。1次予選ではタンゴで硬くなるが得意のワルツでチェックを稼いで何とかクリアし、2次予選ではフォックス*3で同組になった賀寿にやられるものの、次のクイック*4で陣取り合戦になった賀寿を吹き飛ばして*5存在感を示した多々良だったが、準決勝では気負いから飛ばしすぎてバテてしまい、仙石からクイックのオリジナルをやめる指示が出されるほど体力を消耗してしまう。
 そんな時に会場に現れた清春から、「お前は賀寿に勝てない。お前の敵は賀寿ではなく雫だ。真子を雫以上の存在にするのがお前の仕事だ。」と言われた多々良は、決勝ソロのワルツで自分を殺して真子を引き立たせることに専念、真子を会場にいる人、とりわけ賀寿に魅せることに成功する。


 実は「ボールルームにようこそ」は連載開始の時点からいい作品だなとは思っていました。ただこの作品を買うためだけに月刊少年マガジンを買う気にはならず(何しろ1冊450〜460円ですからw)しばらくはなかなか見る機会もなかったわけです。
 でも旅行中にふとした機会でコミックスを見て読んだ時に、最初に読んだ時の衝撃をもう一度思い出しました。
 この作品は、もちろんコミカルなところはコミカルなのです*6が、本気の演技中の模様を描いているコマから伝わる熱気が非常に熱いのですよね。
 一時期愛読していた曽田正人さんの「シャカリキ!」とか「め組の大吾」から伝わる主人公から発する闘気、そんな空気に似た熱気が作品から伝わってくるのです*7
 多々良の武器は目の見えないお婆ちゃんに相撲の実況をすることで培われた目の良さと場の空気を読む力に、仙石をも時折ひるませるここぞという時の図太さ、そして相手のことを考える優しさであろうか。そういったものが仙石を味方につけ、清春を本気にさせ、ランク2位の岩熊に「応援したくなった」と言わせる原動力になったのかなと感じます。
 そして秀逸なのが多々良と真子のカップル。ある意味ど素人に近い多々良*8と兄以外の男と初めて踊った真子が賀寿の横暴を止めるために組んだ「即席カップル」のはずだったのに、天平杯決勝のソロでは優勝候補の賀寿・雫のカップルを凌駕しようかというワルツを魅せるほどになる。
 もともと賀寿の高圧的な態度におどおどしたところが多かった真子だったが、初めて組んで踊った時に多々良の良さに気付き、自分の意見を口にするようになる*9
 多々良はその度に、自信を持って踊ることを覚え*10、決勝では自分の身の程を悟って真子を引き立たせる名演につなげるなど、建前上この大会限りのカップルとは思えないくらいに存在感のあるカップルに仕上げていっているのである。
 個人的には賀寿と雫はセパレートして欲しいけど、多々良と真子はこのままカップルを続けてほしいなと思います。

*1:後で判明するが、雫は実は兵藤清春とのカップルでJDSLの「スタンダード」「ラテン」両部門のランキング1位に立っている

*2:真子としては賀寿以外の男と初めて踊った時に多々良が自分をかばって態勢を入れ替えて倒れた事で、多々良の才能の一片を認めて自分から組もうと言い出した。多々良は賀寿が「真子が雫以上に踊れるならまた組んでもいい」と言った事に発奮して元のカップルに戻そうと決断

*3:正確には「スロー・フォックス・トロット」

*4:こちらも正確には「クイック・ステップ」

*5:この時の賀寿の多々良への悪態はまさに「負け犬の遠吠え」。練習中にも1回あったが、この時は体格の勝る賀寿が多々良を吹き飛ばした

*6:例えば「天平杯」で賀寿に「つるぺた」と言われた貧乳の真子が胸パッドをたくさんつけて登場し、タンゴで多々良にぶつかった拍子に散乱した右胸のパッドで他のカップルがコケるとか、普通にありえない描写もあったりします

*7:そういえば曽田さんは現在同じ月刊マガジンで「capeta」を連載中。同じように音を魅せる羅川真里茂さんの「ましろのおと」や新川直司さんの「四月は君の嘘」もそんな印象がありますね

*8:実際に替え玉で出場した三笠杯を除けば初出場

*9:多々良に電話で「多々良が自分をよく見ているのは分かっている、私も多々良をちゃんと見てフォローするから、もう少し自分のことを考えてくれ」と言ったり、準決勝で暴走した多々良を見て「自分がフォローできなかったのが悪い」と言い、決勝前に「どうしたら勝てる?」と悩んでいる多々良に「私を花にしてください」と頼む

*10:その結果が練習で潰された賀寿を天平杯2次予選で潰して賀寿に悪態をつかせることにつながる