ここにきて縮小化の進む「ムーンライト族」ですが、とうとう四国系統に引き続き「ムーンライト九州」も廃止になることが決まりました。
「ムーンライト松山・高知」と同様に「ムーンライト九州」も今年の春の臨時からは姿を消し、同時に行われた「ムーンライトえちご」「ムーンライトながら」の多客臨化とともに「ムーンライト族」の終焉を感じさせる雰囲気はありました。
それでも「夏臨は残るだろう」という希望的観測もあったわけですが、7月10日付けで「ムーンライト九州」で使用されていた本来シュプール用だった14系客車が廃車処分されたため、最終的に「ムーンライト九州」の営業が終了した形になりました。*1
個人的には残ってほしいとは思いましたが、何しろ繁忙期(「青春18」使用期間)以外ではバスが安い(しかも最終的には繁忙期でも空席が目立っていたらしい)ということ、そして車両の老朽化にはやはりかなわないでしょう。そして東海道・山陽筋では機関車牽引の客車列車が「富士・はやぶさ」を最後に全廃されたことで、機関車を使用しての列車運用を残す意味もなくなったことも大きいかなと。実際下関のEF66や関門用EF81、そして九州のED76は存在意義自体が失われていますし。
おそらくこのことがきっかけに「青春18」の存在意義が失われようとしているかもしれませんけど、まだまだ片道141km以上、往復71km以上の場所への移動であれば安上がりなわけですし、使いきれなければ他の人に譲ればいいだけの話*2なのだからまだまだ使い勝手はあるかと。
これで実際問題として「ムーンライトえちご」「ムーンライトながら」の廃止も視野に入ってきた感じなので、ちょっといろいろと考えることが出てくるかな、という気もします。今はJR東日本を中心に「カシオペア」「北斗星」「はまなす」「トワイライトエクスプレス」「日本海」「あけぼの」「きたぐに」「北陸」「能登」「サンライズ瀬戸・出雲」と夜行列車が残っていますけど、新型車両の「カシオペア」「サンライズ瀬戸・出雲」はともかく、「北陸」「能登」は北陸新幹線が延びれば廃止は目に見えているし、「きたぐに」は583系電車がどこまで持つか。それ以外の客車ももともとが昭和50年代初期の製造で老朽化が著しい状況で、「トワイライトエクスプレス」「北斗星」なども車両を新造しなければこちらも廃止が見えているような気がします。
そのうち寝台列車のベッドで酒を飲みつつ夜の帳の車窓を眺める、ということができなくなりそうですね。